骨粗鬆症①

こんにちは。本日は特に高齢の女性に多い、骨粗鬆症のお話をしていきます。まずは骨粗鬆症とはなにか、骨のメカニズムはどうなっているのかについてお話しします。

 

骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)がへり、骨が脆くなり、骨折を起こしやすくなった状態のことで、いわゆる骨の老化現象のことです。

日本では人口の高齢化に伴い、骨粗鬆症患者は増加傾向にあります。50歳代から増え始め70歳代以上では約半数がこの病気になると言われています。

 

人間の骨は206個の骨で支えられています。そして、その骨は体の構造を支えると共に、臓器器官を外的衝撃から守り、造血機能として働くなど重要な役割を果たしています。

骨はコラーゲン(タンパク質の一種)の表面にカルシウムやリンなどのミネラルが沈着したものです。

健康な骨であれば骨の成分がぎっしり詰まって見えますが、骨粗鬆症になると骨の連結が断たれ、構造が荒くなっていきます。さらに進行すると骨全体が非常に脆くなり、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。

骨は強さとしなやかさを保つために、絶えず破壊と再生を繰り返して古い骨から新しい骨へと生まれかわっています。これを『骨代謝』と言います。骨代謝で中心的役割を担っているのは『破骨細胞』と『骨芽細胞』という2種類の細胞であり、これらの細胞がお互いに綿密な連絡を取り合いながら骨の新陳代謝を司っています。破骨細胞は古くなった骨を次々と溶かして破壊し、骨芽細胞は破壊された骨を元の形に再生します。このように、破骨細胞による骨の破壊を『骨吸収』、骨芽細胞による骨の再生を『骨形成』と言います。一般的に骨吸収には2−4週間、骨形成には2−4ヶ月の期間を要すると言われています。このように骨は頑丈で一生変化しないように思われがちだが、髪の毛や皮膚と同じように絶えず新陳代謝を繰り返すことによって、健康でしなやかな状態を保っています。しかし、加齢とともに骨代謝そのものが衰え、骨吸収に対して骨形成が追いつかなくなるために、骨が壊せれても修復しにくくなります。また、腸から栄養素を吸収する力が低下するため、年齢を重ねると誰でもある程度骨量は減少します。

 

このような骨代謝のメカニズムがあり、そのメカニズムが加齢により衰えてくることで骨密度が減少し骨粗鬆症へと繋がっていきます。

 

次回は骨粗鬆症と生活習慣の関連性についてお話しします。



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