骨粗鬆症②
前回は骨粗鬆症と骨のメカニズムについてお話ししました。今回は骨粗鬆症となる原因と症状、日常生活でのポイントをお話しします。
骨粗鬆症は年齢を重ねれば誰にでもなる可能性がありますが、いくつかの危険因子を持っていると骨粗鬆症になる時期が早まったり、悪化しやすくなります。それらの危険因子の中には、加齢や遺伝のように除去できない因子と、生活習慣改善のように努力すれば除去することができる因子があります。
- 遺伝的・身体的因子に関連するもの
加齢による身体的な衰えは骨粗鬆症の危険因子の1つであるが、そのほか遺伝的な要素や閉経、痩せなどが骨粗鬆症に大きく影響するすると言われています。
- ライフスタイルに関連するもの
先天的な体質だけでなく、後天的な環境も骨粗鬆症の発症に大きく関わってきます。ライフスタイルも骨量減少に関係しているので、偏食やカルシウム不足、運動不足、アルコールの多量摂取、喫煙、日光照射不足、無理なダイエットといったライフスタイルを送る人は要注意です。
- 他の病気に起因するもの
性別や年齢に関わらず、卵巣切除や消化器疾患・胃切除、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの甲状腺疾患、ステロイド薬の長期服用、慢性腎不全、関節リウマチなどの病気や症状に続いて起こる骨粗鬆症もあります。
骨粗鬆症の主な原因として『骨が低くなる』『背中が曲がる』『背中や腰が痛む』『骨折』などがあります。このような症状が現れたら骨粗鬆症の可能性が高いため検査を受ける必要があるといえます。
では日常生活において骨密度低下を予防するにはどうしたら良いかお話しします。
- カルシウムの摂取
厚生労働省では1日当たりのカルシウム摂取量を成人男性650−800mg、成人女性650mgを推奨しているが、実際のところ普段摂取している牛乳や乳製品では補えきれていません。緑黄色野菜や大豆製品、小魚、海藻類など、できるだけ多くの食品から摂取するように心掛けてください。
- ビタミンDの摂取
ビタミンDは腸でのカルシウムの吸収を促進する働きを持っています。
- マグネシウムの摂取
マグネシウムはカルシウムやリンとともに骨を構成する成分となります。
- リンの過剰摂取を控える
骨の構成成分でもあるリンではありますが、インスタント食品やスナック菓子などの加工食品に多く含まれ、取りすぎるとカルシウム吸収抑制が起き、骨粗鬆症の原因となります。
- 適度な運動
運動をすると骨に圧力が加わり、その刺激によって、骨にカルシウムが沈着しやすくなります。骨密度の低下防止に有効な運動は、ウォーキング、ジョギング、筋トレなどです。
- 適度な日光浴
皮膚にあるプロビタミンDが、日光の紫外線の刺激でビタミンDへと変化します。体全体で直射日光に当たる必要はありませんが30分程度を目標に行ってください。夏などは木陰でも結構です。ただし、ビタミンDは肝臓と腎臓を経由して『活性型ビタミンD』となって初めて腸管でのカルシウム吸収に働くので、肝臓や腎臓に問題があると活性化ビタミンDを作れない場合もあります。
いかがでしたか?
骨粗鬆症だからといってカルシウムを摂るだけでなくその他の栄養素も必要です。運動なども大事になることがご理解いただけたでしょうか?
文章が長くなってしまったので、女性ホルモンと骨粗鬆症がどのように関連しているかはまた次回お話しします。